その1


「こんにちはー」

礼拝堂の扉を開くと、せっせと椅子を水拭きする後姿を見つけた。

「エステル、栗もらってきたぞ。これは焼くと・・・って、えええっ!!」

「達哉、天誅!!!!」

モップが顔にクリーンヒットした。

「昼間からそんないやらしいこと言うなんて、許しません」

「い、いや、それじゃないんですけど・・・」



その2に続く。↓



































その2


「まあこんなに美味しいなんて、地球はまだまだ知らないことばかりです」

焼き栗を食べる手を休める事もなく、嬉しそうだ。

「にしてもこれはないよなあ・・いてて」

「ごめんなさい達哉。そ、その・・・だから・・・」

「あんまりえっちな事は・・・その」

うつむきながらちょっと照れた表情のエステルは、なんとも言えない程かわいい。

「そうだ、また今度栗拾いでも行きませんか?」

「まあ・・それは嬉しいです」

「でも拾うのは大変ですよ」

「それはどうしてですか?」

「栗はこの状態で落ちているのではなくて、いがに包まれているからです」

「いが、とはなんですか?」

「いがというのはこの栗の周りを覆っているもので、このままで落ちることによって

中身を外敵に食べられないようにするために備わったものなんですよ」

「そうなのですか」

「クリはいつも周りで覆われているということなんですよね」

「ちょうど落ちているときもパックリ割れたいがの中からかわいいクリがちょこんと」

「割れた中から優しくクリを引き出してあげると汗ばんだクリが出てきて・・・」

「達哉・・・」

「わざと言ってるでしょっ!!天誅!!!」

うがーっ!!!!!

「はあっ、はあっ、はあ・・・・いやらしいのは、嫌いです・・・」

「ご、ごめんなさい・・・」




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