「・・・」
「・・・・・くん?」
「もしもーし?起きてるTMくん?」
あれ・・・もう朝かな・・・?
でもいつもより体が軽いような、ふわふわしたような感じに包み込まれているみたいだ。
「ほーら、早くしないと遅刻しちゃうわよ?」
カーテンを開ける音とともに、日差しが部屋に差し込んできた。
その日に隠れるようでなかなか声の主にピントが合わない。
『んんーっ・・・・だ、誰・・・・?』
「やーね、何言ってるのよ、もう」
「かわいい彼女の声も忘れちゃったのかしら?」
そこにいたのは・・・
え、えりりんじゃないですか!!
思わずベッドから飛び起き、メガネを探す。
・・・間違いない、あのえりりん!
『な、なんでここに・・・?』
「なんでって、朝だから起こしに来たに決まってるじゃない」
『いや、そうじゃなくてなんで目の前にえりりんが』
「なーに?それとも目の前に私がいたらそんなに不満かしら?」
『いえそんな事は全然』
「ならいいじゃない・・・あ、それよりももうこんな時間!早く準備して!」
『準備って?』
「TMくん、それも忘れちゃったの?」
やれやれといった表情で、俺の手を掴むとぐっと引き寄せた。
「今日は1日、デートしてくれるって言ったじゃない?」
『デ、デート!?』
「そうよ」
「ずーっと前から楽しみにしてたのにTMくんったら電話にも出ないし、呼びかけても出てこない
から、ここは学園副委員長としての特権を利用してベランダからお邪魔させてもらったわ」
『普通なら不法侵入・・・ぐほっぉおお!!』
「な に か 言 っ た か し ら ?」
笑顔はそのままで、信じられない強力な力で俺の体を締め付ける。
『あ・・・え・・・えりりん・・・ダメ・・・』
「さ、今日は天気もいいし、早く出かけるわよ?」
『わ、わかったから手をほどいて・・・お、落ちる・・・』
「あ、ごめんごめん。つい力が入っちゃって」
ゲームでは淡々と進めてたけど、まさかこんなに怪力だったとは・・・
し、死ぬかと思った・・・
えりりんにせかされて、急いで着替えようとするのだが。
・・・
・・・・・
じーっ
じーっ♪
『えりりん?』
「ん?なーに?」
『出来れば部屋を出ていってほしいんだけど』
「あら、どうして?」
『だって、恥ずかしいじゃん!』
「ふーん?いつも私の恥ずかしい姿を見ながらオナニーしてるくせに、じゃあどうして
TMくんのは見せてくれないのかしら?」
『そ、そんなこと言われてもそっちはそれが仕事じゃ』
「・・・なぁーんですって?」
えりりんの両腕に体を押さえ込まれる。
なんとか体を起こそうとするが、全く歯が立たない。
「ふふっ、そんなことばっかり言ってるTMくんには、こうよっ!」
そして俺の体がふあっと持ち上がったかと思うと、パジャマを剥ぎ取った。
えりりんの前に俺の下半身が露わになる。
逆に面と向かってじぃーっと見られると、かなり恥ずかしい。
「うふふ、なんだかんだ言ってもここは素直なのね」
「ちょっと出かける前に、こちらも済ませておきましょうか・・・♪」
そういうとえりりんは股間に顔を埋めると、その間から上目遣いで見上げてきた。
『ちょ、え、えりりん・・・』
「さっ、覚悟しなさい♪」
次の瞬間、えりりんの目の前のモノが心地よい空間に包まれて・・・・・
「・・・」
「・・・・・くん?」
「目を覚ましなさい、TMくん?」
あれ・・・今度は夜か・・・?
ていうか、ここどこ?
さっきまで自分の部屋の中だったはずなのに、気が付くと公園に放り出されていた。
そしてその隣には・・・・
「おはよう、TMくん」
そこにはあの月の王女、フィーナ姫が寄り添うように隣に腰掛けていた。
「おはよう、ではおかしいわね。ここはこんばんは、といったところかしら」
『お、俺・・・一体ここで何を・・・』
「ふふっ、すっかり眠ってしまったのね」
ゆっくりと俺の頭を撫でながら、優しく微笑えむ。
月の光に照らされて、フィーナ姫に着けられた装飾品がキラキラと輝いていた。
その笑顔を見ていると体から余計な力が抜けて、心が癒されていくようだ。
下から見上げるフィーナ姫もまた・・・って、
『お、俺膝枕してもらってる!?』
「あら、いけなかったかしら」
『い、いや、そうじゃないけど・・』
「ちょっと休憩と思ったら、すっかり眠ってしまうんですもの」
「おかげで足が少し痛いわ」
『わ!ご、ごめんっ』
俺は慌てて起き上がった。
「謝ることなんてないわ、これくらい当然のことよ」
「それに、こうしているのも悪くないわ。むしろ嬉しいくらいよ」
『フィ、フィーナ・・・』
「かわいいパートナーの寝顔も見ることができたし」
『俺変な顔してなかったかな』
「大丈夫よ。よだれも垂らしてなかったわよ」
とっさに口に手をやったが跡は付いてなかった。よかった・・・
そんな仕草を見て、うふふとフィーナ姫に笑われた。
『そ、それにしても今夜も月が綺麗だな・・・』
「そうね。あの彼方に私達の国があるわ」
『彼方なんて言うなよ』
「どうして・・・」
『今すぐには無理だけど、いつか必ず彼方なんていう距離がなくなるくらいの関係が
来ることを信じてるよ』
「そのためにも今はただ頑張るだけよ」
『俺、フィーナを信じてるよ』
「TMくんは・・・それだけなのかしら?」
『もちろん、2人一緒さ。1mmだって離れるもんか』
「まあ、頼もしいわね。でもあんまりくっついていると動きにくいわ」
『そうだな』
霞んでいた雲が離れ、再び月の光が2人を照らす。
「TMくん・・・」
『フィーナ・・・』
俺はフィーナを抱き寄せると、そのまま唇を・・・・・
「・・・」
「・・・・・くん?」
「全く、しょうがないなあー。こんなかわいい遠山さんを目の前にして寝ちゃうなんて」
「それでも私にはきゅーんってしてくれてるつもり?」
『ん・・・・こ、ここは・・・』
「どこも何も、ここはTMくんの部屋でしょ?」
最初はえりりんで、さっきは公園でフィーナで・・・どうなってるのか理解できない。
『俺、ずっとここに寝てたか?』
「うん、少なくとも私が来た時はちゃんとベッドで寝てたよ」
『そうか・・・一体どれが夢なんだろ・・・・・・・って、えええっ!』
「わわわっ!!ど、どうしたの?」
目の前にいたのは・・・・
ベッドのすぐ隣にみどりんが腰掛けていた。
俺はもしかして今日今までで最高の目覚めをしたのかもしれない。
自分だけに向けられた笑顔が朝の日差しよりも眩しい。
『みどりん・・・おはよう』
「おはよっ、TMくん♪お目覚めはいかがかな?」
『んー、悪くないかも』
「なーに、その「かも」って」
『いきなりだったから、まだちょっと混乱しているところ』
「うんうん、そりゃあいきなりこんなかわいい女の子がいたら混乱するよね」
『混乱ついでにいろいろしちゃうかも知れない』
「いろいろって、何?」
「このままみどりんをベッドに引き込んだりしちゃうかも」
や、ヤバい。ついいつもの妄想暴走癖が・・・
さすがにこれは行き過ぎたかも。
「・・・そ、それって、ホントに?」
『あ、あれ、みどりん?』
「あ、あのね、いつもTMくん優しいから嬉しいんだけど、たまには、そ、その、なんて言うか」
「え、えと、そんな、ご、強引なのも、わ、悪くないかも・・・って。あははは・・」
なんとか表情は笑ってるよう作っているが、その瞳はモードに入ってるかも(←自分判断
『いいのか?』
「ど、どうぞっ」
『うんうん、それでこそ俺のヨメー!!』
「きゃああああっっ!!!!」
みどりんの体を引き寄せるとそのまま覆いかぶさるような体勢になった。
そしてゆっくりと上着、ブラウスを上にたくし上げる。
「あ・・・・ちょ、ちょっとタイムタイム!」
『んーみどりん、みどりん♪』
その下からは白い肌とアンバランスな大きな膨らみが現れた。
「ううっ・・・TMくん、恥ずかしいよぉ・・・」
『みどりん、みどりん♪』
そんなみどりんをよそに、両手でブラの上から丁寧に優しく乳房を包みこむ。
ゆっくりと動かしながら、みどりんの表情を伺う。
明るい時間で見えてしまうのが恥ずかしいのか、両手で顔を隠している。
「はあ・・・・ふうぅん・・・・」
胸の鼓動が早くなっているのが下着越しに伝わってくる。
『下着・・・・取っていい?』
「うん・・・TMくんのしたいように、していいよ・・・」
『ありがとう、みどりん』
そういうと俺はみどりんのスカートの中に手を入れて、するするっ、と下着を下げた。
薄い布で隠された秘所から、いやらしい透明の糸が垂れさがった。
「えっ!?ええっ?そ、そっちなの?」
「やああ・・・まだ取っちゃダメえ・・・」
スカートと上着はたくし上げられて、ブラだけ。
ショーツもないアンバランスな格好に、羞恥のみどりんは顔が真っ赤だ。
そんなみどりんにキスをして、両手で揉んでいた胸から手を移動させる。
片方の手を秘所にあてがうと、指をヒダに合わせながらくりくりと優しくなぞる。
もう片方は乳首を重点的に、固くなったそれを手のひらで転がすように刺激する。
もちろん口も使って含みながら、吸い上げて摘むように咥える。
クリトリスを絡めながら、穴にも少しずつ指を侵入させていく。
しばらく弄るとどんどんと愛液が溢れ出し、お尻の方までぐしょぐしょになってきた。
「はあ・・・・はあ・・・・ああっ!・・・いいっ・・・気持ちいいよぉ・・・」
『みどりん、みどりん♪』
「ううっ、TMくんそればっかり・・・・」
『ごめん・・・みどりんがあんまりエッチだから止まらないよ』
「そ、そんなあ・・・私そんなじゃないのに・・・」
「わ、私がこんなになっちゃうのはTMくんのせいなんだからね」
『分かってるって。みどりんはエッチな女の子だよね』
「ちょ、ちょっと違うんだけど・・・・」
『そろそろ・・いいかな?』
「う・・・うん、いいよ・・・」
「でも・・ゆっくり、優しく、ね?」
「TMくんって、私の時だけ目の色が違うんだもん・・・ちょっと必死すぎ」
『ご、ごめん・・・でもそれはみどりんが魅力的すぎるからだよ』
「うーっ、またそんなこと言って・・・知らないっ!」
『拗ねたみどりんも最高』
頬に軽くキスすると、みどりんの両足を持ち上げた。
「はぁっ、いやああぁん・・・」
全てが丸見えな格好に、一応いやいやと抵抗してみるが仕草だけ。
その顔はこれから押し寄せる快感を知ってか、すっかりほわほわーんと紅潮している(←と思う
そして大きくなったモノをみどりんにあてがうと、一気に・・・
「・・・」
「・・・・・くん?」
「もう、しょうがないなあ・・・TMくん!?」
「早く起きないと、ひどいよ?」
あれ・・・さっき凄くいい感じになってたのに・・・
今度はどこだろう?
「TMくん」
『ん・・・・おはよう・・・・そこにいるのは・・・・』
「あれ?もう忘れちゃったのかな?」
そこにはちょっと不機嫌モードなほなみんが立っていた。
そして手にはキラリとしたものが・・・・・?
「TMくん、これまでの3人はどうだった?」
「おかしいなあ・・・・・出会った時の私への愛情はどこへ行ったのかな」
「あの時はもう私以外見えないなんて言ってくれて、ちょっと私も嬉しかったよ?」
「でも最近のTMくんを見てると・・・姫様とかみどりんとかえりりんとか」
「もうちょっと私もかまってくれないと、寂しいよ・・・」
「だからね、これはそんな私からちょっとお仕置きなの」
「ちゃんと受け取ってね、TMくん♪」
『ほ、ほなみん・・・それって一体・・・』
ほなみんは手にしていたそれを高く振り上げると、勢いよくベッドに向けて突き刺した。
次の瞬間、体が貫かれるような感覚と、激しい痛みが全身を駆け巡った。
あまりの衝撃に口はパクパクするものの、声が全く出ない。
なんとか堪えながら目を開けると、そこにはほなみんがいた。
両目からはぽろぽろと大粒の涙がこぼれ、俺の顔を少しづつ濡らしていた。
「ごめんね・・・ごめんね・・・」
つぶやきながら、何度も俺の体に突き刺していく。
服が、返り血で真っ赤に染まっていく。
「寂しいの・・・寂しかったの・・・私、そんなに強くなかったよ?」
「たまにだって・・・ちょっとでもいいから、思い出してほしかった」
「こんな私の気持ち、分かってほしかった・・・」
そうか。
そうだったのか。
俺の方こそ、ごめん。
次々と発売されるソフトのキャラクター達に次々と移っていって。
ほなみんへの気持ちが徐々に薄れていって。
アンバランスな思いの注ぎ方が、まさかこんなことになるなんて・・・
でも、一番最初のほなみんには、きっと辛い思いをさせてしまったことだろう。
ある意味、この程度のお仕置きでは足りないのかも知れない。
これでほなみんは許してくれるのだろうか。
これで許してくれるのなら甘んじて受け入れてやりたい。
や、もう刺されてるけど。
ほなみんの優しい泣き顔と、血の海に沈みながら、俺は意識を失っていった・・・
ピピピピピピピ・・・・・
目を覚ますと朝だった。
今度こそ、本当に現実の世界に戻ってきたらしい。
ベッドの横にはいつものえりりんと、ほなみんの目覚まし時計がいつものように置かれている。
夢・・・・・だったのか?
念の為、自分のお腹の辺りを確かめてみるが、傷跡はない。
やはりいい方も悪い方も夢だったようだ。
前の3人はともかく、最後のほなみんだけはあまりの展開でドキドキしたなあ・・・
ふと、置かれている時計を手に取った。
時計を見ると、いつものように微笑むほなみんがちょっとだけ、違うように見えた。
「また浮気ばっかしてると、今度こそひどいよ?」
そんなことを言われてるように見えた。
ほなみんには叶わないなあと、頭をかきつつ時計を元の場所に置いた。
部屋のブラインドを上げて、朝日を取り込む。
うん、今日もいい1日になりそうだ。
そして。
おはよう、えりりん。今日もよろしく!!
瞬間、背後に殺気を感じたのは言うまでもない。
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