「鉄道むすめ」弾丸スタンプラリーの旅 フォトレポートでお届けします。詳細版はこちら。 (ちなみにスタンプは自宅で撮影しました) また今年も暑い季節がやってきました。 原色に近い青、色とりどりの花、待ちきれないように響き渡る虫の音。 ワタシは夏になると外へ飛び出したくなります。 いつもの生活からちょっと抜け出して、行ける所まで行ってみたい。 知らない場所って、なんかワクワクしない? 夏を控えたそんな日、いつものようにネットで調べ物。 今年はどこへ行こう? そんな時、ある1冊の本と出会いました。 それは全国3箇所に置かれたスタンプラリーの付いたコミックスでした。 これ、おもしろそうじゃない? せっかくだから、連休使って一気に回ってみたらすごいかなあ・・・ うん、今年はこれでスタートだね! そして出発の日。 1枚の切符と、1冊のコミックスと、ちょっとのワクワクと、大きなドキドキと。 ワタシは、ワタシとタビに出る。 7月○日、早朝、東京駅。 3連休の最初の日とあってコンコースもはやての中も子供連れ、グループ、いろんな人でいっぱい。 みんな今からどこへ行くのかなあ・・・ ワタシはそんな思いとともに、盛岡へ。 盛岡。ワタシが降りるのは12年ぶり。 すっかり様変わりした駅には、昔の思い出を見つけることはできなかったけど・・・ 観光列車で最初の目的地、久慈まで。 ワクワクなワタシの気分に反して、今日の空はちょっと悔しい小雨模様。 はぁーっ、もうちょっと天気がよかったらなあ・・ 車窓に流れる緑。 緑に包まれたレールの上を、のんびりと駆け抜けていく。 しばらくすると・・・・海! 気が付くと列車は三陸鉄道へ。 青い海と青い空が見たかったな・・・今日はどんより曇り空。 これはまたリベンジして、次は綺麗な三陸海岸を眺めれるといいな。 ほどなくして、久慈に到着。 東京から7時間弱。ワタシの、今日最初の目的地。 そこにあの娘が待っていました。 「久慈行き発車しまーす!出発!進行っ★」 木々の緑に心あらわれ、潮風に深呼吸。 白樺揺れる琥珀の大地、海女の国、久慈。 そんな三陸の景色の下に、彼女はいました。 「本日も、三陸鉄道をご利用いただきましてありがとうございますっ★」 次の出発は14時46分。 止むことのない雨を見ながら、久慈を出発。 次は、晴れた空を味わせて下さいね。 「おまかせ下さい!次は三陸のキレイな青をぜひ見に来て下さいね★」 7月△日、朝、銚子。 今日もうっすらと雲がかかった、いやらしい空模様。 朝早い電車に乗って銚子駅のホームに降りたワタシ。 その先の、ちょっと向こうにそいつはいました。 銚子電鉄。 銚子から外川まで、6.4kmをのんびり走るローカル鉄道。 そこには首都圏内の雑踏や慌しさはなく。 ただ田園風景と僅かな潮風と醤油の匂いと、穏やかな時間が流れていました。 ガタゴトと揺れる電車の動きに身をまかせて。 ワタシが生まれるもっと前から、レールの上を走っていた人生の先輩さん。 まるで昔話でも語り出すように、モータ音がうなりを上げる。 そんな音と、風の音を聞きながら。 気がつけば、ワタシは終点にいました。 時計の針が止まったかのような静寂に包まれて。 それでもそこに都会の冷たさは感じられない。 ワタシは駅を飛び出した。 向かうは、1つ前の駅。 そこに、今日会いたい、彼女がいます。 畑に囲まれた、そんな中に異国の雰囲気を感じる風景が広がっていました。 銚子電鉄、犬吠駅。 2つ目の目的地。 「ふふふ〜ここのぬれ煎餅は絶品ですよ〜」 わずかな時間。 たった30分だけど、犬吠の風を浴びながら。 ・・・・・今度はゆっくり、また来てもいいですか? 「・・・はいっ!犬吠駅でお待ちしております」 7月×日、品川駅。 今日でワタシのタビもおしまい。 ちょっぴり寂しい気持ち。 そして無事最後の目的地へ向かうために。 最後のあの娘に、会いに行きます。 時速200km/hを超える速さで、のぞみは西へ。 景色が、街が、雲までも置き去りにされるほどに。 いつもの見慣れた都市を越えて。 いにしえの都を越えて。 大きな街をいくつも越えて。 ちょっとワタシもウトウト・・・・ そして・・・・到着! ワタシの最後の目的地。 そんなワタシの目に飛び込んできたのは、たたきつける程の涙の雨でした。 赤い旋風が吹き抜ける街。 大きな川と、緑があふれる街。 世界で初めて原子爆弾による攻撃を受けた街。 そして、原爆投下わずか3日後に路面電車が走った街。 それがヒロシマです。 その路面電車、広電に乗って30分。 広電本社前電停で、ワタシだけ降車。 相変わらず雨は降り続いたままで。 そんなワタシに、 「お客様、今日は足元の悪い中、ようこそおいで下さいました!」 最後の彼女に。 3つ目のスタンプ。 ワタシのタビ、ここに完了! 「あっ、せっかく広島まで来て頂いたのなら、広島名物お好み焼きを食べていって下さい!」 「私、この近くに美味しいお店、知ってるんですよ〜」 タビのお疲れも兼ねて、ちょっと寄り道も悪くない・・よね? 振り返る。 まだ雨は降っているけれど。 彼女達の、ひたむきで明るい笑顔にすこし気分が晴れた気がした。 「路面電車は、人に優しい乗り物なんです」 「この街の希望を支えて、今日も路面電車は走り続けます」 久しぶりに、清々しい気持ちで、帰りののぞみに飛び乗りました。 |
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